化粧水の役割について

僕はもともと外科医ですが、某芸能人の方と知り合いとなりその方の肌質へのこだわりなどを知ったのをきっかけにスキンケアに興味を持ち、今は美容皮膚科の仕事もしています。
男性でも最近はヒゲ脱毛やスキンケアの人気が高くなってきていますが、まだまだ詳しい内容をご存知ない方も多いと思います。ここでは、スキンケアの基本である洗顔・化粧水・乳液(乾燥しやすい方は化粧液の後に保湿美容液も)のうち、化粧水について解説します。
化粧水は洗顔後に使用します。化粧水には肌に水分を補いスキンケアの下地を整える役割があります。皮脂は肌を保湿する役割がありますが、洗顔をすると皮脂が落ちて皮膚が乾燥しやすくなるため化粧水で肌に水分を補い肌の下地を作ります。化粧水を顔全体になじませたら、次のステップで乳液などを使用して保湿をしていきます。
肌質(普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌)について
スキンケアを始める際には、まず自分の肌質を知ることがとても重要です。大きく分けて肌質には普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌のタイプがあります。目安としては、洗顔してそのまましばらく待ったときの自分の肌の状態で以下のように判断できると思います。皮膚がつっぱりかさつく乾燥肌、皮脂が浮いて脂っぽくなる脂性肌、顔の部位によって乾燥肌と脂性肌が混ざっている混合肌、ヒリヒリ感や発赤などの皮膚刺激症状を伴う敏感肌、いずれも当てはまらず理想的な肌である普通肌となります。日本人で一番多いのは混合肌です。
肌質ごとの化粧水の選び方
Webでは色々なおすすめ商品や口コミ情報が出ていますが、自分に肌質にあった化粧水をきちんと選ぶことが何より重要です。
普通肌
普通肌は水分と皮脂成分のバランスの取れた理想的な肌質です。化粧水については自分の好みに合わせて使用して良いです。
乾燥肌
乾燥肌では水分と皮脂成分がともに少なくなっています。保湿成分(セラミドが効果が高いです)が多く含まれている化粧水が良いです。ヒアルロン酸やコラーゲンなどの成分が入っている化粧水も保湿が高くおすすめです。多少粘調なものが良いと思います。また、乾燥していると肌は刺激に弱くなっていますのでアルコールの入っていない低刺激性の化粧水が良いです。爽快感を売りにしているアルコール入りの化粧水は避けましょう。
脂性肌
脂性肌は皮脂が多いため保湿されていると誤解されやすいですが、皮脂の下は乾燥していることが多く化粧水での保湿は必要です。皮脂は乾燥を防ぐために分泌されるため、保湿をしないと皮脂がさらに過剰に分泌されて肌質が悪化することもあります。
脂性肌に対しては、皮脂の分泌を抑えるためにビタミンC誘導体(リン酸アスコピルナトリウム、リン酸アスコピルマグネシウム、ビタミンCエチルなど)が含まれている化粧水が良いです。最近は浸透型ビタミンC誘導体であるアプレシエ(APPS)が人気です。低刺激で浸透性が高いです。脂性肌にはさらっとした水に近い性状が合うと思います。
混合肌
日本人に一番多い肌質です。Tゾーンが脂っぽく頬部がかさついているなど、顔の部位で乾燥肌と脂性肌が混じっている肌質です。基本的に乾燥を防ぐために皮脂が過剰に分泌されているため、乾燥肌と同じように低刺激で保湿力の高い刺激の少ない化粧水を選ぶと良いです。
敏感肌
刺激物のなるべく少ない、保湿力のある化粧水がおすすめです。刺激物としてはアルコール・ビタミンC誘導体・香料などが原因になりますのでこれらの入っている化粧水は避けるようにします。保湿成分はセラミドがおすすめです。スキンケアで保湿を十分に行うことで刺激物に対して強くなることも期待できます。
化粧水の正しい使用方法

つぎに化粧水の正しい使い方について解説します。
1. 化粧水は洗顔直後に使用
洗顔直後は顔面の皮脂は少なくなっておりとても乾燥しやすい状態です。化粧水の塗布は乾燥を防ぐために洗顔の直後に行います。化粧水が薄まらないように洗顔時の水分は十分にふいておきます。
2. 手で化粧水を十分な量でまんべんなく塗布
化粧水はコットンでつけるかたもおられますが、僕は手でつけることをおすすめします。手で行う利点は、化粧水が体温で温められて肌に馴染みやすくなる点や、浸透具合を手で確認しながら行える点です。ただし、手が不潔な場合に雑菌が混じってしまいますので事前に手洗いをして清潔な状態で行いましょう。1回に使用する化粧水の量は5cc程度(手のひらで500円玉大程度)です。注意点としては、強くこすったり叩いたり無用な肌刺激はせずに、十分な量で塗りムラがないように顔全体に優しくつけていきます。
3. 化粧水をつけた後は十分に馴染ませる
化粧水をつけた後は十分に肌の奥まで馴染ませる必要があります。塗ってそのまま放置してしまうとすぐに蒸発してしまうので、塗ったあとは手で優しく10秒ほど顔をおさえて浸透するようにします。十分に馴染むと、手指が顔の肌に吸い付く感じに変化します。
4. 肌に十分馴染んだら化粧水の過程は終了。乳液をつける段階へ。
以上で化粧水の過程は終了です。肌に水分が補われた状態となりました。次のステップは、補われた水分が逃げる前に乳液をつけて保湿していきます。
まとめ:自分の肌質に合った継続できる化粧水を選びましょう
スキンケアの基本である洗顔・化粧水・乳液のうち、化粧水の基礎について解説しました。まずはスタートすることが大切です。自分の肌質を理解して自分に合った化粧水を選びましょう。製品はたくさんありすぎて、どれが良いとも言い難いですが、まずは継続してスキンケアしても経済的に負担にならない商品で始めれば良いと思います。手間をあまりかけたくない方は、オールインワンの製品も出ていますのでそちらから始めるのもありかと思います。そのうち具体的な商品紹介も書きたいと思います。
基本的に男性の肌は乾燥しており混合肌の場合が多いですので、保湿を十分にできるものを選べばよいかと思います。とくに敏感肌の方は皮膚に優しいものを使用しましょう。最後に、頻度は少ないですが皮膚に違和感をおぼえる場合は化粧水が皮膚に合っていないこともありますので一旦使用を中止しましょう。
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